Twinkle Star!

0 三月は芽吹きを迎え

 二月に一度の定例議会。それに参加すべく、レゾン=イラは自らの領地から離れ、帝都オーウェン・ウルースに向かっていた。がらがらと順調に走る馬車の窓の外では、春を迎えるべく蕾をいっぱいに膨らませた木々が見える。三月の見慣れた光景だ。
 アリイェメレク帝国は過去に東方の国々と深く関わっていたため、そちらの暦とよく似たスケジュールで行事が進む。年が変わるのは一月だが、各種学年や事業などの区切りである年度が切り替わるのは四月で、レゾンは幼い頃から「こちらはこちらで合わせればいいのに」と不思議に思っていた。
 とはいえ、今から制度を変えるにはコストや抵抗があまりに大きい。馬車が揺れる度に、耳から目の前に少しずつこぼれてくる黒髪をすくって、レゾンは新年度を前に自分に送られてきた書類を読んでいた。その書類は分厚く、数センチほどもある。しかしそこに書かれているのは領地の収支報告などではなく、年若い男女のプロフィールだ。
 五大貴族の一つであるイラ家の領地内には、多くの重要施設が存在するが、その中でも頭一つ抜けて注意が必要な施設が、プレデアス魔法学園だった。空に浮かぶ島に作られた、アリイェメレク帝国のみならず世界全土を見渡しても稀であろう、優秀で有能な若者が集う魔法の学び舎。その卒業生及び教師陣も当然ながら優秀な人材ばかりである。
 中立を気取っているものの、反旗をひるがえそうと思えばたやすく大きな爪痕を残す機関だ。そのため、代々イラ家がプレアデス魔法学園の監視、管理を行っていた。もっとも、イラ家当主が常時魔法学園にいれるはずもなく、監視と言ってもこうして入学者と卒業者のプロフィールを確認し、年に一度校長と面談する程度にとどまっているが。
 プロフィールを流し見ながら息をつく。レゾンがイラ家の当主になった最初の年に現れた生徒は大変だった。息をするように魔法を使い、何でもない事のように暴力的な規模でマナを動かす。真実、天才と呼ばれる者がこの世には存在すると、レゾンは思い知った。そのくせ国にかしずかない、厄介な人物だった。何とかプレアデス魔法学園に教師として繋ぎ止めたものの、もし他国に流出していたらと思うとぞっとする。あれは一人で国境線を塗り替えるほどの力を持っていた。
 そんな事例があったために、毎年この時期は心穏やかではない。またあんな化け物が気楽にアリイェメレク帝国を離れようとしたらと思うと、いっそプレアデス魔法学園を閉校してしまいたい衝動に駆られる。もちろん、プレアデス魔法学園があるからそういった危険要素が一カ所に集まりやすくなっている面もあるわけで、レゾンの身勝手な一存で閉校するわけにはいかないのだが。
「レゾン様、そろそろ着きますよ」
「……ああ、もうそんな頃合いか」
 馬車の前後を区切るカーテンをくぐり、護衛の兵の一人で従者であるバレットが後部座席にやってくる。幼い頃から仕え、共に育った彼の姿を見ると胃の痛みがわずかに減った。レゾンは大きく息をつき、書類をまとめて鞄の中にしまう。
「そんな辛気臭い顔してー、他の当主様に食われちまうっすよ?」
「今だけだ。お前の前でぐらい気を抜かせろ。……あと、分かっていると思うが、その口調」
「やだなー、人前じゃちゃんとしてるっすよー」
 へらへらと軽薄な笑いを浮かべるバレットに肩をすくめる。幼い頃から共にいるのと、本人の軽い性格もあって、今のように二人きりだとバレットはすぐ口調を崩す。レゾンも気を抜いているのでお互いさまなのだが、そのような態度を他の貴族に見られては侮られる。ただでさえ、五大貴族現当主の中でも若いレゾンは甘く見られがちなのだから、従者にもしっかりしてもらわなければ。
「そんなに頭痛いなら投げちゃえばいいんすよ」
「馬鹿を言うな。他の連中に任せられるか」
 軽々しく言うバレットを叱りつける。イラ家がプレアデス魔法学園の管理を任せられているのには理由がある。五大貴族の中でも、軍部との繋がりが薄いのだ。それは過去から現在に至るまで変わっていない。他の五大貴族はいずれも各軍の将軍を務めるなり、軍に強いコネクションを持っているが、イラ家は持っていない――持たないようにここまで来た。(まつりごと)のみを専門としてきたイラ家だからこそ、国家反乱の危険は薄いとして任された。
 そしてプレアデス魔法学園がイラ家の重り、楔となっているのも確かな事実である。レゾンからすれば、これだけの力を暴走させずに、我が家の覇権のために使うなんて恐ろしくてとても出来ない。イラ家に仕えるために集まっているならともかく、そうではない有象無象の生徒や教師を制御なんて、積極的に教育に介入しなければ達成出来ず、そうした場合、すぐに他の貴族に動きがバレるだろう。
「それにしても今年は一段と辛気臭い顔で。厄介な貴族の子息でも来ましたか?」
「いや……今のところは。シュヴァルト家の子息はいるが」
「シュヴァルト家の、っていうと、年齢的には四男っすか?」
「そうだな。……不安要素にはならないはずだ」
 有名なプレアデス魔法学園は入学するだけでもステータスになる、と考えている者は少なくない。そのため、無理やりにでも子息を入学させて箔をつけよう、なんて事例が後を絶たなかった。優秀な若者にこそ門を開くプレアデス魔法学園においては邪魔以外の何物でもない。
 その点、入学予定のシュヴァルト家は五大貴族の一つだ。レゾンも四男坊である彼の事はよく知っているし、その保護者も既知の相手だ。今更箔をつけてどうこうなんて家でもなければ、実力なく入学だけ押し通したわけでもないと分かる。問題児でもないし放っといて問題ないだろう。
「じゃあ定例議会っすか?」
「……そうだな、あれは何度行っても慣れない」
 五大貴族としての務め、二月に一度の定例議会。必要な会議だが、何年経験してもレゾンは慣れなかった。国の行く末を決める重責は構わない。他の五大貴族と論を交える事も問題はない。ただ、あの冷たい目が――
「ま、オレで良ければいつでもガス抜きに……っと」
 馬車の揺れが止まる。王城に着いたのだ。レゾンはバレットの手を借り、馬車の外に下りた。うやうやしく差し出された外套を羽織り、鞄を手に城の中へと進む。帝国創立当時から増改築を繰り返してきた城は、おそらく帝国で最も長い歴史を持つ施設だ。その歴史に呑まれぬよう、背を伸ばし階段を上がっていく。
 しばらく進んで、兵が脇に控える大扉の前に立つ。二人の兵士は頭を下げると、レゾンのために扉を開いた。音も立てずに開いた部屋には、半円状の机がある。ここが五大貴族と皇帝による定例議会の会場だ。通常、護衛の兵を側立たせる事は許されていないが、イラ家は特別だ。――自ら戦う力がないためである。レゾンも歴代当主の例に漏れず、頭は回っても運動はてんで駄目だ。他の五大貴族の当主は皆自衛以上の力を持っているというのに。
「やあ、レゾン。二か月ぶりだね」
「ノワール。元気そうだな」
 左端の席に着いて待つ事しばらく、二人目の五大貴族が姿を見せた。長い金髪を結った、一見女性にも見える優しげな顔の彼はノワール=シュヴァルト、シュヴァルト家の当主だ。レゾンの一歳年上で、年が近い事から昔から親しくしている。彼は笑うと、レゾンの隣の席についた。
「丁度良かった。君に挨拶をしたくてね」
「挨拶か? ……何かあったか?」
 レゾン自身がシュヴァルト家とつながるような案件は聞いていない。ノワールの発言の意図が読めず、眉をひそめる。そんなレゾンを「真面目だなぁ」と少し笑って、ノワールは話を続けた。
「私の三番目の弟がプレアデス魔法学園に入る事になったからね」
「……ああ、その件か。私に挨拶をしても無駄だぞ」
 何だ、と息をつく。プレアデス魔法学園にシュヴァルト家の四男坊が入学する事は、資料を読んで知っている。だからといって、レゾンに何か頼もうとしても無駄な事だ。イラ家はプレアデス魔法学園を管理していても、細かな教育にまで口を出しているわけではない。優遇も何も出来ないし、するつもりもなかった。
「ははは、まあ君が管理者だからね」
「言うなら校長に直接言え。もっともあいつも何も聞かないと思うがな」
 プレアデス魔法学園の現校長は、レゾンにヘラヘラするものの、教育に関しては一貫した主義主張を持ち譲らない人物だ。どんな経歴の生徒であっても、えこひいきや差別をしない彼を説得する事なんてほぼ不可能だろう。レゾンの対応は予想通りなのか、ノワールはクスクス笑って指を組んだ。
「あの子もえこひいきなんて望んでいないだろうなぁ」
「ならそういう事は止めておけ」
「ははは、まあ兄としてはね」
 へらっと笑って誤魔化すノワールに息をつく。笑顔が読めないところもあるが、公平で公正な人物であるノワールは、家族の事になると途端に甘い判断を下す事が多かった。そうやって甘く優しく付き合うだけでは、相手を駄目にするだけだと何度も言っているのだが、何歳になってもこんな調子なので治すつもりはないのだろう。
「よう」
「やあ、二人とも早いね」
「ツィタデーリさん、パリサイさんも。ご一緒ですか?」
「たまたまそこでな」
 次に会議室に入ってきたのはよく似た顔立ちの、金髪碧眼の男性二人だった。それぞれパリサイ家とツィタデーリ家の当主であるノックスとディエースだ。双子である彼らが別々の家の当主を務めている理由は、かなり長くなるらしいのだが、いかんせんレゾンが生まれる前の話なので詳細は聞いていない。父親が簡単に説明したところによれば、惚れたはれただの大騒ぎがあったらしいが。
「こんにちは」
「ソンブレロさん」
「皆揃っているようだな」
 もう一人、銀髪の男性が入ってきて、ツィタデーリ家とパリサイ家の間の席に座る。第一軍の将軍を務める彼、ズース=ソンブレロが、五大貴族の現当主の中でも最高齢の人物だ。物静かで多くを語らず、年も離れているために、レゾンは彼の事をよく知らない。老いを笠に着るような人物ではない事だけは確かだが、それ以上は分からなかった。
 五人揃うと自然とおしゃべりはなくなる。静かになった会議室に奇妙な緊張感が満ちていく。馬車を降りた時点で心構えはしているものの、これから始まる会議の主役に負けぬよう、レゾンは気を張り直した。
「――揃っているか」
 沈黙の会議室に低い声を響かせ、最後の一人が入ってくる。半円状の机の先に置かれた大きな椅子にけだるげに座った男性は、見た目はレゾンと同程度に若く見える。しかしその年齢は父親と同等だという事を知っていた。三つ編みにした月色の髪を揺らし、一つ深呼吸をした彼は、藍色の目で一同を一瞥した。
 ただ見られただけだというのに、伸ばした背筋が凍るようだった。自らにつまらない理由で異を唱える者は潰してしまおうという威圧。他者を時折自分の邪魔をする程度の石ころにしか思っていない目。麗しい外見に反して、心は氷よりも冷ややかだ。彼こそこの帝国の頂点に立つ者、五大貴族が結託して抑えなければいけない存在、自ら神を名乗る狂愛の(おう)――
「ではこれより、ユエリアン=アレイェメレクの名において、定例議会を始めよう」
 その一言で、定例議会は始まった。
 三月も下旬を迎え、各地では新しい年度を迎える準備が大詰めを迎えている。天空に鎮座するプレアデス魔法学園もそれは例外ではない。在学生は春休みで、学内は空っぽに近い状態だが、教師達は休みを満喫出来ずにせわしない日々を送っていた。
「うあー、終わったー」
「はいはい、お疲れ。こっちも終わったよ」
 机の上に置かれた書類の山を一つ崩しきったイワーヌシカは、隣の席にいる青年にもたれかかった。教師になって数年経つのに相変わらず事務仕事に慣れない同僚に、もたれかかられたメフィストフェレウスは苦笑した。
 職員室に他に人はいない。今日は新入生に配布するプリントの作成日で、ほとんどの人員はそちらに割かれている。書いてある文字を転写する機能を持つ魔道具のおかげで、全部手書きなんていう苦行はなかった。しかし一人辺りに必要なプリントは十枚ほど、それを二百セット弱作らねばならない。魔道具で楽をしたところで膨大な作業量はゼロにならないのだ。
 そんな人海戦術から外された男二人は何をしているのかというと、寮の部屋割りをしている。天空に浮かぶ島に作られたプレアデス魔法学園は、正しく孤島で、月に一度の飛空挺を使うか、自力で空を飛ばねば行き来出来ない。そのため、教師も生徒も敷地内に作られた寮に住む事になっていた。
 この部屋割りがまた面倒な作業だった。プレアデス魔法学園は、魔法の才能を持つ優秀な若者を受け入れている。身分や貧富で区別しないその方針は立派だが、生徒達まですぐそうなれるわけではない。特に二人一部屋となる寮生活では、そういった部分がもめ事の原因になる事も少なくなかった。そのため、似たような条件の者同士がペアになるように、部屋割りを決めるのだ。
「ったく、若いんだから文句言うなよな」
「ははは、お前と同じ部屋にさせられた俺みたいにな」
「おう、何か不満あるのか」
「いいや? 俺以外だったら大変だっただろ」
「……まあな。感謝してるよ、色々と」
 メフィストフェレウスの返しに、イワーヌシカは視線を明後日の方向に向けた。身分や貧富だけでなく、外見的特徴も問題になる。イワーヌシカは緑と赤のオッドアイで、さらに蛇のような目をしているとあって、幼少期からトラブル続きだった。
 プレアデス魔法学園に在籍していた時もそれは変わらない。同室のメフィストフェレウスは、よく巻き込まれてトラブルに付き合ったものだ。もっとも、根本的な原因はオッドアイではなく、短気で勝ち気なその性格に由来するところが大きい、とメフィストフェレウスは考えているが。
 まあオッドアイのようなものはともかく、入学者の中には手足が不自由だったり、身体的ハンデを負っている者も若干名いるケースがある。今年はいないようだが、そういったケースであれば主要施設への物理的な距離を考慮する必要もある。ランダムにくじで決めてしまいたいが、そういうわけにもいかない大事な作業だ。
「二人ともお疲れさん」
「……あ、シャートさん」
「休憩ですか?」
 と、職員室に新たな人物は入ってきた。既知の相手とはいえ人の目が出来、メフィストフェレウスにもたれかかっていたイワーヌシカは、体を起こして外していたフードを被る。入ってきた彼、シャートは、伸びきったジャージの袖をヒラヒラと振った。
「まあそんなとこ。休憩するのに茶葉とかとってこいってさ」
「俺達も何か飲むか?」
「そうだな……」
 職員室の端にある流し台の上、乱雑に缶や小壷が積まれたスペースから、シャートはひょいひょいといくつかを籠に移していく。そういえば作業に集中していて休憩を入れていなかったと思い出したイワーヌシカとメフィストフェレウスは、こちらも茶を飲むかと思案する。男三人の職員室に、ひょいっとショートカットの女性が現れた。
「お邪魔しまーす。イワン君もメフィ君もちゃんと仕事してましたかー?」
「魔女じゃないんだから妄想でぼーっとしてないだろ」
「そ、そんなぼーっとしてませんよー! あと魔女って止めてください、いつまで引っ張るんですか!」
 小さい子供を相手にするような口調で二人に話しかけてきた女性は、シャートに魔女と言われて慌てて否定した。彼女はクルクスといい、多くの教師と同じように学園を卒業した人物の一人だ。しかしシャートとはそれ以前から交流があるらしく、ことあるごとに昔の事でいじられていた。
「もうぅ……あ、二人とも、面白い子いました? 私、まだプロフィール見れてなくって」
「こっちは……教頭推薦の子ぐらいですかね。今年は大人しいものですよ」
 膨れながら大入りのお菓子を別の籠に入れていたクルクスは、入学予定の生徒について聞いてきた。メフィストフェレウスはパラパラと書類をめくり、女子について答える。クルクスは「ああ、噂の」と人差し指を唇に当てた。
「珍しいですよね。校長を押し切って試験免除の推薦入学なんて」
「それだけ評価してるんでしょうね。……入学したら放置する気がしますけど」
「あー、違いない。あの人はそういう人だ」
 現校長はたとえよく知った、信頼出来る人物からの推薦であろうと、試験なしでの入学を認めていない。こと教育に関しては頑固で公平な人なのだ。それだけに、学園ナンバーツーの人物からの推薦といえ、試験が免除された生徒が現れた事は、教師達の噂の的になっていた。
「ま、実際優秀かどうかは来れば分かりますよね。それで、男子の方は?」
「こっちも特には……ああ、シュヴァルトとレヘヴェーんとこのが来ますよ」
 イワーヌシカの目についたのはその二人だった。シュヴァルト家は言わずと知れた五大貴族の一つであり、その家系は「優秀」の一言につきる。万能型の天才型で、歴代当主は文武に秀でた人物であり、当主以外の者も優秀な兵として国に仕える事が多かった。その一人が入学となれば、これは期待出来るだろう。
 もう一つ、レヘヴェー家は中堅の貴族だが、魔法使いの間では有名な家柄だ。その歴史は古く、建国の初期の段階から活躍していたらしい。何より評価されるべき事項は、数百年前の魔道具の成立だろう。普及はまた別の魔法使いが担ったと歴史書には書かれているが、レヘヴェー家の働きにより、人々の暮らしが一段階引き上げられたのは間違いない。
「まあ、レヘヴェー家ですって、シャートさん!」
「何だ、若いツバメを捕まえて玉の輿でもするのか?」
「ち、違いますよっ。それなら自分で稼ぎます! そうじゃなくって、ほら、ノックスさんの時の……」
「……ああ、あの人そういやレヘヴェーの人だっけか」
「お知り合いですか?」
 クルクスが興味を示したのはレヘヴェーの方だった。シャートに振ってすぐにからかわれるが、どうやら二人はレヘヴェー家に縁があったらしい。「昔ちょっとな」と誤魔化された。詳細は話してくれないようだが、知人の親戚だろうか。クルクスはお茶菓子を積めた籠を抱えて、にぱっと笑った。
「ともあれ楽しみです! 私が教えられるのは来年以降なんですよねー。シャートさんがうらやましいです」
「何なら俺の代わりに風魔法の授業やってもいいんだぞ」
「あ、それは無理なので」
 茶葉やらお茶菓子やら茶器やら、必要な物を揃えたらしいクルクスとシャートの二人は、連れだって職員室から出ていった。女子は一人でも姦しい、と息をついて、イワーヌシカは立ち上がった。
「何飲む?」
「コーヒー。そっちは?」
「同じのでいいや」
 いつも飲んでいる銘柄は残っているだろうかと、二人で流し台へと向かった。
表紙
1 運命的な出会い?